【基本情報技術者試験】記憶・ファイル管理とマルチメディア

基本情報技術者試験

 今回は前回の続きで、記憶管理、ファイル管理、マルチメディアについて説明しようと思います。

用語

実記憶管理

 主記憶の記憶領域(実記憶)を効率よく管理するための方式に、区画方式、スワッピング方式、オーバレイ方式があり、以下で説明します。

・区画方式:主記憶を区画に分割し、プログラムに割り当てる方式のことをいい、固定区画方式と可変区画方式があります。固定区画方式は、主記憶を一定の大きさの区画に分割する方式で、処理時間は一定で速いのですが、主記憶の利用効率は悪いです。可変区画方式は、プログラムが必要とする大きさに応じて区画を割り当てる方式で、処理時間は遅いのですが、主記憶の利用効率は良いです。また、割り当てられたプログラムが同時に処理されるわけではないので、いずれ空き領域がばらばらになってしまいます。このことをフラグメンテーションといい、下図でいう左側の状態で、次のプログラムに必要な領域が獲得できないことがあります。これを解消するのがメモリコンパクションで、下図でいう右側のように領域をまとめることができます。

・スワッピング方式:主記憶の容量が不足した場合に、優先度の低いプログラムを一時的に補助記憶装置に退避(スワップアウト)し、優先度の高いプログラムを主記憶に配置する(スワップイン)する方式。

・オーバレイ方式:プログラムを同時に実行しないいくつかのセグメントという単位に分割しておいて、実行時に必要なセグメントだけを主記憶に実行させる方式。この方式は、大きなプログラムを容量の少ない主記憶上で実行させるのに向いています。また、プログラムやOSのバグにより使用可能な主記憶の容量が減少することをメモリリーク、これを解消するために不要になった領域を解放することをガーベジコレクションといいます。

仮想記憶方式

 補助記憶装置を仮想的な主記憶(仮想記憶空間)とみせかけ、実行時に必要なプログラムやデータを動的に実記憶に配置して実行する方式を仮想記憶方式といいます。これにより主記憶の容量より大きなプログラムを実行できるようになるため、現在ではほとんどのOSに採用されています。

 プログラムを実行するために、仮想記憶上のアドレス(仮想アドレス)を主記憶上のアドレス(実アドレス)に変換する必要があり、これを動的アドレス変換機構(DAT)というハードウェアで行います。また、仮想記憶管理の一つであるページング方式について以下で説明します。

・ページング方式:主記憶とプログラムをページという固定長に分割してページ単位で管理する方式のことをいいます。主記憶上に必要なページが存在しないことをページフォルトといい、実記憶から補助記憶へ不要なページに追い出し(ページアウト)、補助記憶から主記憶へ必要なページを配置します(ページイン)。また、ページフォルトが多発して処理効率が下がることをスラッシングといいます。

 不要なページを決める方式には、主記憶に最も古くから存在するページを置き換えるFIFO方式、最後の参照から最も時間が経過したページを置き換えるLRU方式、参照された回数が最も少ないページを置き換えるLFU方式の主に3つが使われます。

ファイル管理

 プログラムやデータはファイル単位で格納されており、そのファイルはディレクトリによって管理されています。また、ディレクトリは階層構造になっており、階層の一番上にあるディレクトリをルートディレクトリ、その下にあるディレクトリをサブディレクトリといいます。そして現在操作しているディレクトリをカレントディレクトリといいます。

 ディレクトリやファイルを特定するためにパス指定をする必要があり、ルートディレクトリを基点に指定する絶対パスと、カレントディレクトリを基点に指定する相対パスがあります。例として絶対パス指定で、目的ファイルのxxx.cssまでを表すと「/hp/css/xxx.css」になります。相対パス指定で、カレントディレクトリをhp、目的ファイルをxxx.cssとして表すと「./css/xxx.css」となります。

 補助記憶は障害などに備えて定期的なデータのバックアップをしており、バックアップの方法を3つ説明します。

・フルバックアップ:補助記憶に保存されているすべてのデータをバックアップする。バックアップに時間がかかり、システムへ負荷もかかりますが、復元時間は短くなります。

・差分バックアップ:前回のフルバックアップ時点からの差分を常にバックアップする。バックアップのデータ量は増分バックアップよりは多くなりますが、復元時間は1日目のフルバックアップと最新の差分バックアップで行うため速くなります。

・増分バックアップ:前回のフルバックアップから変更箇所のみをバックアップする。バックアップのデータ量は最も少なく済みますが、復元時間が最も多くなります。

マルチメディア

 静止画や動画は容量が大きくなるためデータのサイズを小さくする必要があり、ある決まりごとによってデーのサイズを小さくすることを圧縮、圧縮されたものを元に戻すことを解凍といいます。また、圧縮した画像を完全に復元できる方式を可逆圧縮方式、完全に復元できない方式を不可逆圧縮方式といい、以下でよく使われる圧縮のファイル形式を説明します。

  • GIF:256色、可逆圧縮。データ容量が小さく、背景を透明にすることができるため、イラストやロゴに使われる。
  • PNG:256色のPNG-8とフルカラーのPNG-24があり、可逆圧縮。透過が可能で画像の劣化がないため綺麗な画質を保てるが、ファイルサイズが大きくなる。
  • JPEG:国際標準規格でフルカラー、不可逆圧縮。肉眼では見えない情報を大幅にカットいるため、小さいファイルサイズで写真が綺麗に映すことができる
  • MPEG:国際標準規格、不可逆圧縮。動画の圧縮に使われ、MP3はMPEG1の音声部分の圧縮アルゴリズムが使われている。

 また、仮想の空間に入り込んだように思わせる技術をVR(Virtual Reality)、または仮想現実といい、現実の風景をコンピュータに取り込み仮想の情報と合わせて映し出す技術をAR(Augmented Reality)といいます。

まとめ

 以上が記憶管理とファイル管理、マルチメディア説明でした。

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