用語
- IPアドレス:TCP/IPネットワーク上にある端末やネットワーク機器を識別するための番号
- ドメイン名:IPアドレスを英字や数字、一部の記号を用いて文字列に置き換えた別名
- DNS:IPアドレスとドメイン名を対応付け
- グローバルIPアドレス:世界で一意に決まる
- プライベートIPアドレス:独立したネットワーク内で一意に決まる
- DHCP:コンピュータがネットワークに接続する際に必要となるIPアドレスなどの設定を自動的に割り当てるプロトコル
- NATとNAPT:←を押して参照
- クラスA:ネットワーク部8ビット、ホスト部24ビット、大規模
- クラスB:ネットワーク部16ビット、ホスト部16ビット、中規模
- クラスC:ネットワーク部24ビット、ホスト部8ビット、小規模
- サブネッティング:ホスト部の情報を分割し、複数のより小さいネットワークを形成
- サブネットマスク:IPアドレスをネットワーク部とホスト部を区切るために使用するビット列
IPアドレス
TCP/IPネットワーク上にある端末やネットワーク機器を識別するための番号のことをIPアドレスといいます。現在使われているIPv4ではIPアドレスは2進数32ビットで表現しています。また、IPアドレスを人が理解しやすいように英字や数字、一部の記号を用いて文字列に置き換えた別名をドメイン名と言います。例として、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)のIPアドレスが「192.218.88.180」に対して、ドメイン名は「www.ipa.go.jp」と、IPアドレスよりもわかりやすくなります。なお、「www」を含むドメイン名は狭義でFQDN(Fully Qualified Domain Name)ともいいます。
IPアドレスとドメイン名を対応付ける必要があります。そこで使われるシステムがDNSであり、担当するのがDNSサーバです。DNSサーバは階層構造になっており、DNSサーバ同士が連携して動作しています。
IPアドレスはグローバルIPアドレスとプライベートIPアドレスに大別することができます。
- グローバルIPアドレス:インターネットで使用するIPアドレスであり、世界で一意になるようICANN(The Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)によって管理されています。
- プライベートIPアドレス:LANなどの独立したネットワークで使用するIPアドレスであり、独立したネットワーク内で一意になるよう組織のネットワーク管理者によって管理されています。
DHCP:コンピュータがネットワークに接続する際に必要となるIPアドレスなどの設定を自動的に割り当てるプロトコルのことをDHCP(Dynamic Host Configuration Protocol)といい、担当するのがDHCPサーバです。DHCPサーバに登録してあるIPアドレスから貸し出されていないIPアドレスを動的に割り当てることでIPアドレス管理の手間を軽減することができます。また、通信相手のアプリケーションを識別するために使用される番号をポート番号といいます。
NATとNAPT:インターネットにアクセスするときにはグローバルIPアドレスが必要になります。そこで使われるのがNATとNAPTであり、通常はルータの機能の一つとして備えられています。
- NAT(Network Address Translation):一つのグローバルIPアドレスと一つのプライベートIPアドレスを相互変換する技術です。
- NAPT(Network Address Port Translation):一つのグローバルIPアドレスと複数のプライベートIPアドレスを相互変換する技術であり、NATの技術にポート番号を組み合わせたものです。プライベートIPアドレスとポート番号、グローバルIPアドレスとポート番号の組み合わせを相互変換することで、一つのグローバルIPアドレスでLAN上の複数の端末からインターネットに接続することができます。
IPアドレスのクラス
現在広く使われているIPv4ではIPアドレスを2進数32ビットで表現しており、32ビットをネットワーク部とホスト部に分かれています。なお、ホストはネットワーク上のサーバや端末などです。この32ビットを8ビット単位にネットワーク部とホスト部を何ビットずつで構成するのかを以下のようなクラス分けをしています。
また、以下のホストの最大台数で2台分引いているのは、ホスト部が全て0のアドレスがそのホストが属しているネットワークアドレス、ホスト部が全て1のアドレスが同じネットワークに属するすべてのホストに同一の情報を信用するために使用するブロードキャストアドレスとして使っているからです。
・クラスA:ネットワーク部8ビット、ホスト部24ビットで構成します。ネットワーク部の先頭ビットは「0」から始まり、10進数では「1~127」で始まるIPアドレスです。ホスト部を24ビットで表現するので、一つのネットワーク内で識別できるホストの最大台数は2^24ー2台になります。
・クラスB:ネットワーク部16ビット、ホスト部16ビットで構成します。ネットワーク部の先頭ビットは「10」から始まり、10進数では「128~191」で始まるIPアドレスです。ホスト部を16ビットで表現するので、一つのネットワーク内で識別できるホストの最大台数は2^16ー2台になります。
・クラスC:ネットワーク部24ビット、ホスト部8ビットで構成します。ネットワーク部の先頭ビットは「110」から始まり、10進数では「192~223」で始まるIPアドレスです。ホスト部を8ビットで表現するので、一つのネットワーク内で認識できるホストの最大台数は2~8ー2台になります。
それぞれのクラスが対象とするネットワークの規模は、Aクラスが大規模、Bクラスが中規模、Cクラスが小規模になっています。
サブネッティングやサブネットマスク
ホスト部の情報を分割し、複数のより小さいネットワーク(サブネット)を形成することができ、サブネッティングと呼ばれています。ネットワーク部をホスト部から間借りすることで32ビットをネットワーク部、サブネット部、ホスト部に分けて管理しています。
サブネッティングするためには、IPアドレスのビット数の配分をクラスの枠を超えて設定する必要があり、そこで使われるのがサブネットマスクといわれる、IPアドレスをネットワーク部とホスト部を区切るために使用するビット列です。サブネット部を含むネットワーク部には「1」、ホスト部には「0」をしてします。
まとめ
以上が基本情報技術者試験のIPアドレスの説明でした。これでネットワーク技術の範囲の説明が一通り終わりとなります。
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